久々の窯焚
福井市のMさんの登り窯。
昨年の12月以来の窯焚きだ。
薪の窯は、かなりの経費と労力が必要。
一束10~12、3本位の束が約300~350円。
それを数百束単位で焚いてしまう。
10年以上前なら、年に3~4回と薪の窯を焚く作家さんも珍しくなかったが、
不景気の今では、本格的な陶芸家であっても
ガス窯が主力の場合がほとんど。燃料代も安く、焚く労力が要らない。
薪の窯は年に1回あるかないか。
当然、薪の窯で焚いた品物の方が格が上で高価だが、中々売れない。
年に数度の窯で生計をたてる。陶芸家とはそういう仕事。
登り窯の場合、焚き上げる部屋の数にもよるが、
一度火を入れれば、3日間位は徹夜で焚き続けとなる。
数人で交代での作業。
1時間で30℃程度の割合で温度を上げてゆき、
最終的には1200℃以上の状態を維持する。
温度計と、火の色と、窯内の雰囲気と、
色々にらめっこしながらの作業。
とても疲れますが、
それでも、普段の生活の中では得難い、貴重なものです。
窯に火が入っていると、色々な人が窯場に出入りして、
その人脈に驚かされます。
そして、火を眺めているのは、とても素敵な時間。
子供達も窯場が大好きです。
珍しい物がいっぱいあって。
火なぶりができて。
色々な大人とふれあって。
豊かな時間・空間です。
既に御高齢のMさん。
跡を継ぐ者もなく、
今回の窯が最後になるかとの話がありましたが、
周囲の支えがあり、
もう数年だけ、
続けられるかなぁ。
こんな素敵な場が、少しでも長く・・・。
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