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2013年5月25日 (土)

今シーズンラストスキー

             
     

前夜、残業中の処へ

『白山情報』と題されたメールが立て続けに入る。

やや緊張して開くと、どの機材で臨むのかの連絡。

『 got : 赤ワイン、バナナチップ、のり天・・・で参戦予定 』

『 oka : 赤ワイン、焼き鳥、ナスの漬物・・・で参戦決定 』

・・・そ、そーゆーシステム?なんですか(--;)?!ベンキョウニナリマス。

ま、マズイ。。。残業してる場合じゃねぇ。。。

早目に切り上げて、店が閉まる前にドラッグストアとスーパーマーケットへ。

 

 

市ノ瀬のゲートが開いて、

一年で一番、白山が近い季節になりました。

ハイシーズンになればマイカー規制が始まりますので、

別当出合の登山口まで車で入れる今が

雪の在る白山が最も身近なタイミング。

二週間前に比べて車の量が多い事はもちろん、

「ここは観光地?」 って位、とにかく大勢の入山者でした。

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スキーを背負った人の割合は随分減って、ツボ足が半数以上?

滑走系でも、スノーボーダーがかなり多くなっていました。

 

6:30 いつもの様に鳥居前で一礼し、吊橋を渡ってスタートです。

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最初に現れる、湿地帯を通る登山道は両脇が満開の二輪草。

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日の出から間も無くで未だ早い時間の為、花弁はどれも閉じてうつむいています。

 

カップル、老夫婦、親子、高校の山岳部・・・

沢山のパーティーで渋滞気味の登山道を進みます。

序盤は雪が無いので気楽な足元で行き、

中飯場でスキーブーツに履き替えて、脱いだ靴はデポしておきました。

1800mを過ぎた辺りで雪の量が安定してきたので、板を履く。

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いつも、甚ノ助の尾根から大長山方面が見渡せて高度感が出てくると、

『あ~。白山へ来たなぁ。』って実感し、ワクワク感が急上昇してきます。

 

甚ノ助ヒュッテ辺りで、二週間前よりも1m近く雪が減っている。 8:10

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斜面の露出も増えている為、

エコーライン方面へのトラバースは

前回よりも高い位置まで登ってからの水平移動になりました。

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尾根への最後の取り付きは板を脱いでの藪漕ぎです。

 

南竜道に沿って東へ進み、

万才谷辺りから南竜ヶ馬場の台地方向へ滑り降りて、

前回滑った広大斜面を登ってゆきます。

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今日のメンバーは Okdさん、Tcyさん、Gtoさん、私。

出発前、GtoさんとTcyさんが

「今日はまったりでお願いしますね~(^^)Tcy」

「のんびりガサツに行きましょう♪(^^)Got」

と話していたのを確かに聞いたが・・・

登山道はGotoさんの鬼曳き(T-T)

(Gotoさんって超肉食獣!視界に先行者の背中が入ると追ってしまう。)

南竜からの斜面はTcyさんのノンストップぶっ飛ばし登行(ToT)

(この日のTcyさんには『Liar』の称号が与えられました。)

私、かなりヘロヘロでトンビ岩コースの斜面をボチボチと続きます。

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雪の窪みで、クマンバチが動いていました。

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この時期に生きている熊蜂は成虫で越冬した固体です。

おそらく冬の間雪の中に閉じ込められていて、

雪が融けて、陽射しで温められて再び動き出したのでしょうか。

こんな場所で。凄い生命力だなぁ。

この蜂君の発見者はこの方↓です。Gotoさんも何気にナチュラリスト。

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台地へ上がって御前峰がドーンと見えてきたら

ハイマツ帯の向う側に在る東面を気にしながら進みます。

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雪が繋がっている所を見つけて、展望歩道側へ出る。

 

今日はゾロ谷を滑りましょうとの話で来ましたが、

とりあえず様子を窺ってみたら・・・

やっぱ雪は少なく、割れもあってコンディションは悪そう。

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賞味期限切れっぽいので、パスすることになりました。

まあ、皆さんは当初からコレも想定内。

道すがら相談していた通り、平瀬道の尾根を越えた隣の大白水谷へ向かいます。

奥までず~っと見渡せるゾロ谷の眺めは雄大でした。来年来なきゃ。

 

斜面最上部をトラバース気味に北上してゆく。

クレバスが幾つもあって、

落ちたら絶対に上がれないんじゃ?って大穴も在りました。

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以前なら、こんな場所に身を置けば怖くてドキドキが止まりませんでしたが

いつの間にか、

こんな場所でも、普通に冷静にいられる様になりました。

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Tcyさん、とびっきりの笑顔だし(笑)

決して、危険を忘れた訳でも鈍感になった訳でもありません。

こんな場所でも楽しめる位の感覚が、平常心が、とても大切。

私は、そう思うようになりました。

安全の為にも、

常に当たり前に、100%のパフォーマンスが出せる自分が目標。

経験積まなきゃ。

 

滑りが命!のみんな、

気持ちが逸り過ぎていて(笑)

まだゾロ谷の源頭を脱していないのに、エントリー地点と勘違いして(笑)

滑る気満々で余計な荷物をデポ。雪に埋める。

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が、斜面下をうかがうと何かおかしい?よ?

地図とGPSで確認して、あと200mも先だと判明。

折角埋めた物を掘り出して、トボトボ移動(笑)

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トラベル(違うか?)はトラブル。想い出に残るこんなイレギュラーな出来事が、

私は結構好き。

 

さて、大白水谷までやって来たら・・・ 10:35

わおーっ!!!

でっかい景色!!!!!

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谷の眺めはこんな広大斜面♪

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再び荷物を埋めて、

皆、そそくさと準備に取り掛かります。

滑りに貪欲なGotoさんは、とっとと準備を済ませて上へ上へ登行・・・

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一番手は撮影班チーフのOkdさん。

続くGotoさんは、相変わらずトンデモないスピードで飛んで行きました。

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いっつも、Gotoさんの写真はちゃんと撮れないし・・・。

カッコ良く写りたかったら、もっとゆっくり滑ってくださいょ(--;)

         
   

広大斜面でしたが、雨が降る季節となってしまったので

雪面は洗濯板でした。

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みんなが、何であんなに普通に滑れるのか?私には不思議でならない。

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ヘッピリ腰で、エッジのカウンター当てながらどうにか降りました。

で、

みんなは・・・やっぱスゲーなぁ(^^)

Okdさんは斜面の凸凹を全く感じさせない滑らかさ。

まるでストレッチを楽しむ様な身体の柔らかさで流れてゆく。

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Tcyさんはテレマーク。

その優雅さに見とれてしまいます。

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好天から期待したより随分硬くて手強い斜面でしたが、

景色は大満足。楽しさも充~分でした。

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満足したら、

頑張って登り返し。

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エントリー地点へ戻って、

OkdさんがGtoさんのシュプール眺めながら

「お~、切ったなぁ~(^^)」

私、何のコトか良く分かりませんでしたが、言われて見てみると

どんなに曲がっても完全に等間隔で平行線を描く板の軌跡が

乱れる事無く続いています。

雪塵すら飛ばしていない様なその跡から、

ブレーキ要素が全く無くて正に慣性のまま落ちて行った事がはっきり分かる。

私もいつか・・・

自分の前にあんなレールを敷いてみたい。

憧れ。

 

台地に戻って、

キンキンに冷えたのを掘り出して、

景色の良い特等席を貸し切って・・・

 

せ~のっ、

 

かんっ!

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ぱぁ~いぃっ!!!  12:05

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楽しいお昼ごはん♪

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赤ワインでフランベしたロースは美味しいんですね♪

 

正面は別山

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背後は白山

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今日も天国のランチテラスでした♪

 

春山まったり。

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こんな世界に身を置ける自分が本当に幸せで、

大感謝。

 

お腹が膨れたら、ボチボチ戻ります。

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御前峰にお別れ&再会祈念を述べたら

デッカイデッカイ別山に見守って貰いながら遊ぶ。

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わぁ~い♪

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洗濯板にゴシゴシされて大変でしたが、

今季最後の滑りを目一杯楽しみました。

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みなさん、へっぽこな滑りの私の中に

ちょっとでも格好良い瞬間を凄く上手に切り取って頂いて、本当に感謝。

 

それぞれ、思い思いに快感を堪能します。

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(私のカメラの中には思う様なGotoさんのショットが入っていなくて、

 オパクリさせていただきました。^^;)

 
     

気持ち良かった♪

トラバースで帰路へ。

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南竜ヶ馬場からエコーライン方面へ綺麗な列で歩くパーティーが

何だかとても美しく感じました。

景色がデカイ。人間はチィサイ。

 

ここがほんと最後の大きな斜面、甚ノ助の尾根へ滑り込む。

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私は、派手にコロコロ(^^;)

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気持ち良かった♪

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シリセードマシン!?

で降りてくる女性の二人組が何だか楽しそうで羨ましくて、

ついお借りしてしまった。

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子供と一緒にスキーへ行っても、実はソリ遊びが大好き。

自信はあったつもりだったが、

このマシン!侮れない!バランスや方向舵が想像以上に難しい!

またもやコロコロ転がってしまいました(TT)

白山でソリ遊び♪超幸せ♪

 

甚ノ助小屋を過ぎるとテクニカルな尾根の林間滑走ですが、

先輩方にリードしてもらいながら、無難に下りる事が出来ました。

中飯場手前で板を脱ぎます。

 

一年前もここで御一緒してくれたGotoさんから、成長があった事を褒めて頂けて

無事、怪我やアクシデントも無くシーズンを終えられる事に

大きな喜びと、色々な感謝を感じながら、

背中に感じる装備の重みが幸せで、これで終わってしまう事が凄く寂しかった。

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早く次の冬が来て、早く雪が降らないかな。。。  16:35

 

浦島太郎の様に、

雪の無い現実の時間へ引き戻されてゆきます。

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吊橋渡って・・・

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鳥居をくぐって、

振り返って、

脱帽一礼。  17:00

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人生の中でも忘れることは無いだろうと思える程、

今シーズンは、私にとって素晴らしい雪の季節でした。

飛躍出来た年と言っても過言ではありません。

今日もまた、

山の神への心からの感謝と、

私を導いて下さった山の先輩方々への大感謝と、

快く送り出して遊ばせてくれる家族への、

感謝と責任。

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帰りの車中では、

心地良い疲労で、気持ち良く船を漕がせてもらいました。

 

言葉では表せない程の、

感謝と、幸せです。(^^)

来年も、頑張ります。宜しくお願いします。

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コメント

私はこういうスキーとかしないんで知らなかったのですが
今の白山て こんな状態なんですね〜! へえ〜!
去年初めて白山登って(汗)ああ甚ノ助ヒュッテ辺りで
まだこんなに雪が〜とか クレパスが危険だなからとか!
クマンバチも凄いんですね!!!
この時期も登ってみたい〜 
でも渋滞する程人がいるって知らない自分にとってはびっくりです(笑)

投稿: あわら | 2013年5月29日 (水) 07時05分

あわらさん、こんにちは。

甚ノ助ヒュッテの辺りは今でも積雪2m以上あるんじゃないのかな?って感じですが、
そこより上でも
日当たりが良い場所では夏道の登山道が出ている所もあります。
スキーじゃなくて歩きの人がいっぱい居ましたよ。^^
あわらさんはとっくに雪山デビュー済みだから装備も問題無し♪
春の雪山は寒くないし、まったりのんびりした雰囲気で、あれもまた良いものですよ♪

雪山をやる人の人口なんてそんなに多くないのでしょうが、
旬の季節や条件が限定的なので
同じ日にみんな同じ場所へ殺到しちゃうんでしょうね(^^;)

投稿: Fumi | 2013年5月29日 (水) 12時22分

今シーズン、いろいろ山スキーにお付き合い頂きありがとうございました。Fumiさんのおかげで今年はいっぱい山スキーが行くことが出来ました。
白山は本当に懐が広く、何回行っても素敵ですね。

今度はグリーンシーズンの白山ですね。

いろいろ楽しみがあって、今後も楽しみ!楽しみ!
のんびりガサツに今後のぼちぼち行きましょうね!!

投稿: goto | 2013年5月30日 (木) 22時01分

gotoさん、こちらこそ本当に感謝感謝です
今年は、『人生初体験♪』を感じる出来事が沢山ありました。
何度も話した事ですが(笑)『勝原先生』は強烈な授業でした。
あれ以来、
ほんの0.1秒の僅かな感覚でも、自分が新たな何かを感じたり、掴み取れたり、
この歳になって自分が変化できる、成長出来る事の実感が嬉しくて嬉しくて、
痛くても、ヘロヘロでも、嬉しくて楽しくて仕方がありません。^^
そんな世界を見せてくれて、
いつもしっかりサポートしてくれて・・・
そんなのは照れくさいしスマートじゃないと思うので敢えて書きませんが、
本当は、私がストック折った時のgotoさんがいかに優しくて大きな男だったかとか記事にして書きたい事がいっぱいあります。
それはまた今度、飲んだ時にでもみんなに自慢しますが(笑)

はい。^^白山大好き!
何度でも、ボチボチ行きましょう♪
ガサツに(笑)

投稿: Fumi | 2013年5月31日 (金) 00時12分

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