白山釈迦岳
先週、ご近所の雪山さよなら会を済ませたので
今週は少々奥深い場所を目指す事になりました。
山猿gotoさん提案の行き先は釈迦岳。
もう、余りにも素晴らしかったので、結論を先に言っちゃいましょう。
超っ!サイコォー!!!でしたぁ!!!!!
わはははぁー!このドピーカン! (以下、gotoさん御提供の写真多数です。)
頑張った甲斐がありました。
この場所の素晴らしさを体験する為に
これ以上望むべくも無い程最高の条件を揃えて頂き
快く受け入れてくれた白山の神様に、本当に心から、最大限の大感謝です。
行動時間11時間半。
長い長い幸せな遊びの1日を振り返る日記を書きます。
私が住む場所から日帰りで白山の峰々を目指す場合、
白峰から(県)33号白山公園線で市ノ瀬~別当出合まで入り、そこから登りますが、
この時期は当然、冬季通行止でゲートが閉じていますので
入山口までは自力移動が必要です。
白峰ゲート~市ノ瀬は約11Km、標高差320m。
別当出合までならば約16.5km、標高差750mのヒルクライムです。
重い重い装備を背負って、エッチラオッチラ自転車を漕がねばなりません。
4:30 言葉には言い表せない興奮を胸に秘めながら、いざ、行動開始。
自転車のライトと登山用のヘッドライト。
とっくに熊は冬眠から目覚めているので、少しの不安がありますが、
お喋りが楽しくて快調に進みます。
前々からの予報でこの土曜日だけは終日の好天予想。
絶好のチャンスと思って計画でしたが、
同時に、週間予報の中程には寒気がありました。想定以上の新雪のプレゼント。
粋な計らい♪ で、脚への負荷が増します。
出発後30分位は真っ暗闇のライドでしたが
徐々に薄明が始まって周囲が見渡せてくると、雪景色の美しさに心が躍る。
先行者の轍は3名。 所々、傾斜が強まると押し歩きになっています。
我々は足付き無しで♪順調、順調。
5:20 市ノ瀬到着。
白峰ゲートが閉じているので、敢えてここにゲートは在りません。
か~~~っ!素晴らしい雪景色! 燃える。
gotoさんも、「今日は当たりの匂いがプンプンします♪(^^)」
超美しいケド、嬉しいけど、
新雪があるってことは、超大変なんだよね・・・。
白山禅定道のココでMTBをデポして入山です。 5:50
計画段階では、序盤担ぎ&薮々を覚悟していたのですが、雪の量は充~分♪
板を履くと嬉しくて仕方がありません。
最初は針葉樹の森。
雑木林になって、積雪で登山道が消えている森を
頭と勘を働かせながら林道へ登り上げます。
思ったより雪の量が多くて、道が不明瞭な場所も多いです。
登り上げた場所によっては、
林道に気付かずに斜面上方へ進みすぎる可能性もあると思います。
未熟な私が活躍できるのはこんな場面しか無いので、
ラッセルを交代しながら林道を詰めて行く。
やがて、今回私的には一番の難所、心配していた斜面に差し掛かります。
林道は完全に雪の下、スノーシェッドのトンネルが頭を出している。
スノーシェッドが在るってことは、そういう事です。危険箇所。
リードするgotoさんから、
念の為ちゃんと間を空けて、距離を取って進んで来る様に指示が飛びます。
同時餌食を避けて・・・もしgotoさんに何かあったら私が助けるって事ですね。
緊張します。
早い時間ですが、既に幾筋もの小雪崩れ。
いくらちっちゃな塊りでも、直撃食らえば自分も谷へ落ちてくんじゃ?
大っきな流れが来たら話になんないし・・・。
超ドキドキで、
まあ、無事通過。 スノーブリッジを渡るように橋へ滑り降ります。
橋から眺める湯の谷の堰堤。
ほっと一息。
思わぬ新雪でフキノトウも受難だね。
振り返った斜面に付けたトレースは・・・ おぉ~怖。
ここからもう少し林道をラッセルすれば、
夏道の登山道が合流する付近です。
いよいよ今日の山に取り付きます。 7:20
序盤は岩の多い斜面。
もともとまだらに残雪が在った斜面に新雪が載った状態なので、時々苦戦。
でも、上へ行く程どんどんと森の素敵さが増してきて標高と共にテンションもup♪
大木乱立の美しいブナ林に朝陽が射して、ここまでの疲労がリセットされました。
前を行くgotoさんが嬉しそうな声を上げる。
何? おっ♪ ウサギちゃん♪
もう、楽しくて楽しくてルンルンの行程が続きます。
以前にこのコースへ来たことがあるgotoさんの記憶に残っていて、
「また逢いたいんです。」 と仰っていたのはこんな木。
一旦は折れてしまったのに、また頑張って生き抜いたんだね。
gotoさん、単なる山スキー患者かと思いきや、実はとっても自然好きな人でした。
道中、何度も嬉しそうに色々な木の風景写真を撮ったり、
「いい木の香りがしますね。^^」 って、五感で森を楽しんでおられました。
バカは・・・こんなのを見ると何かしたくて仕方が無い。
よいしょおぉっ!
わははぁー♪
着地失敗・・・。
今日は粉まみれを楽しまなきゃね。
森の向こうに目指す頂が見え始めますが、まだまだ遠いな~。
ブナの美林を抜けるとダケカンバの美森が現れて、
またブナになったりしながら
徐々に林が疎らになってきて、空が大きく近くなってきます。
何度もラッセルを交代しながら、
大きなまっサラの斜面を踏んでゆく幸せを噛み締めます。
今日の山に他の入山者は無く、完全貸切でした。
経験不足の私なら
危険を避ける意味でもアップダウン覚悟で尾根の一番高い所を進みますが、
gotoさんのリードで無駄なアップダウンを避けて労力が節約できました。
目指す頂の姿に、凄すぎる青空に、興奮を抑えるのが大変です。
徐々に傾斜を増しながら、グングン標高を上げます。
疲労度もグングンですが、
「残り300mです!」 「あと300で終わっちゃうんですよ!楽しまなきゃ!」
どんな時も前向き、超ポジティブなgotoさんと一緒だと笑顔で行ける。^^
樹氷も出始めて、益々気持ちが盛り返します。
gotoさんの力強いラッセルでグングン進む。
斜面上部は傾斜が強く、見上げる上から雪球が降ってきます。
硬い下の層と新雪の間に明らかな弱層が出来ていて、所々何度も滑る。
ここでも間を空けるように助言されます。
互いのジグが入れ替わる感じで、同一線上にいる時間を最低限にしながら進む。
途中でクトー(スキーアイゼン)を装着しました。
が、私、
新雪がシールに付きまくって、落としても落としてもダンゴやゲタが出来まくる。
gotoさんも同じシールですが、念入りにワックスで手入れをしてあり
いい加減な私と、その差歴然。今回この点の重要さは本当に痛感しました。
シールの機能、ジグを切る技能、
こういった場面では、様々な事の一つ一つが大きな差を生みます。
雪を落とす事を手抜きしたら
とうとう、着雪が邪魔してクトーの歯が硬い雪面に届かず、
終に滑落。
ストックの先を突き立てて制動。
あ~あ。ビックリした。
たかが10~20メートル。一段緩やかなテラスの様な場所が下に在ったので、
まあどうってコトないだろうと、上からgotoさんは余裕で眺めていたそうですが
私にとってはドキドキの初体験でした♪
あ~~~また登り返さなきゃ。。。
やれやれ。(いつもの様に、写真だと傾斜が伝わらないんだよねぇ。)
結局、滑落はこの一度で済まず、無料絶叫アトラクションを心から堪能しました。
最後の急登は板を脱いで這い上がって、
一段高い場所へ出たら・・・
うわぁ~♪
そしてその先・・・頂上の広場から見えるのは・・・ 11:50
キターッ!
白山ドッカン!!!
かぁーーーーーっ!
全てが報われる瞬間です。
もう、どんな感嘆詞を付けまくって叫んだところで、この素晴らしさは伝わらない。
二人とも、心からの絶叫。
七倉山~白山~別山へと続く目の前の大パノラマに見入ります。
記念写真!
釈迦本峰はもう一つ奥のアレなんだけど、(ココは釈迦前峰)
まあ、別に行く意味は無いし、ここの方が快適そう。
計画段階では
西隣の丸岡谷(まるおかだん)を絡めて登り返しで滑って遊ぼうって話でしたが
想定以上の新雪で疲労度満腹。
そして何よりもこのロケーションに大大大満足で、達成感に満ちています。
最高の景色! 最高の青空! ありえない完全無風!
天国のランチテラスで乾杯!
何度見ても見飽きない、美しい白山。
カッコイイ別山。
次にまたいつこんな経験が出来るか分からない、出来ないかも知れない。
この幸せが幸せ過ぎて、
景色とお喋りを楽しみながら、結局この頂上で1時間以上過ごしました。
別山にとり付かれているgotoさん、
もう、ここから眺めているだけで、
「あのシューターを落ちてぇ♪コッチの斜面をこう、コッチへ滑ってぇ・・・」
もう、あっちを向いてもこっちを向いても美味しそうな斜面が在り過ぎて、
彼の妄想トークは止まりません(笑)
西隣の山も雪がたっぷりで美しい。
丸岡谷の向こう。ナナコバ山はもっと離れていると思うので、
カナキ谷との間のピークかな?
本来滑りが命のgotoさんも、ここの時間に大満足の様子で、
「もっと居てもイイでしょう?帰りの時間計算して無いケド(^^)」
って感じ(笑)
でも、実は、
今日は登り返しての滑走に意味が無い事を、gotoさんはしっかり分かっていた。
気温が高いこの時期の新雪は 『うっかりパウダー』 と言って、
その名に『パウダー』と付きながら滑りには全く向いていないとの解説(TT)
スキーの観点から言えば、
この時期の新雪では 『山へ行かない』 って判断もアリだとのこと。
日が昇りきったこの時間では特に、
ねっとりと板にまとわり付く様に重くて、潜る板が全然浮かせられなくて、
直ぐに引っかかって転ぶ(TT)
これまでに経験した中で一番やっかいな雪でした。
それでも、大きな斜面に飛び込む快感は心が躍る♪
転んでも全く痛くないし♪
gotoさんが『北陸の飛騨沢』と称する雄大な景色の中で、前転しました♪
大斜面を終えたら、東側の谷へと滑り込みます。
ビビッて直滑降気味に入れなくて斜面に貼り付いて躊躇してノロノロしてると、
相変わらず弱層が崩れてズルズル下がります。
下へ行く程雪質の重さは増し、私は悪戦苦闘。
1日を通して、私が思う様に滑れて快感を感じていたのは
たった1本。。。の極一部。数十秒だけ。
gotoさんの板が何であんなにスイスイ曲がるのか?笑える位にマジカルです。
軌跡の差に一目瞭然。
私はそんな彼を必死に追って、自分が下りて行くのに精一杯で
全然gotoさんの撮影が出来ませんでした。非常に申し訳なし。
台地まで戻ってきて、
釈迦岳に最後のお別れと、お礼。
林間滑走の難しい斜面を林道へと下って、、、
の途中で、派手に吹っ飛んでストック1本ダメにしました。(^^;)
何度転んでも身体は無傷♪
さて・・・
谷を渡って、またあの難所。
朝よりも更に雪崩れてる感じで、落ちる雪塊も大きくなっている。
スノーシェッド内の方が安全との判断で、帰りはコッチのアトラクション。
板を脱いでトンネルに入ります。
板を脱いだりと、している間も斜面上が気になって不気味。
過去に大きな落石で空いたと思われる天井の大穴がド迫力で嫌な感じ。
無事通過。 14:20
重い雪に重い脚。
長く辛い林道歩行をやっつけて、入山位置でガッツポーズ。
山の部、無事終えました。 15:05
今日の山は達成感と満足度と、疲労度も申し分無しで、
頂上に辿り着いた時、下山した時、白峰のゲートまで戻って完遂した時。
三度、gotoさんと硬い握手を交わしました。
の~んびり、噛み締める様に自転車を漕いで・・・
いや、実は下り坂はかなり寒くてのんびり出来なかったケド、
小一時間のお喋りライドを楽しんだら、
16:00 白峰ゲート着。
充実感、満足感に満ち溢れた素晴らしい山行。
あんな景色を見てしまったら・・・
もう私は、
この道から抜けられないなぁ。
そんな事を思う山でした。
無事に帰ってこられて感謝。
あんなふうに受け容れてくれた山の神に感謝。
gotoさんに感謝。
gotoさんもそうであったと言うように、
こんな山スキーの世界を開拓してくれた先達の方々、先輩に感謝。
そして、
いつも、山から下りて携帯が繋がったら真っ先に妻へ送る『無事下山』のメール。
メールを送るこの時の何とも言えない安堵感や、色々と複雑に入り混じった感情を
この心の感じをいつまでも忘れずに、
家族あっての自分の遊びを、これからも続けてゆきたいです。
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コメント
釈迦にお付き合い頂きありがとうございました。
2人だけの貸し切り釈迦、贅沢すぎましたね
白山の神に感謝です。
そしてFumiさんとの会話、交代ラッセルがあったので
楽しく頂上に行けました。感謝です。
またあの白山の懐におじゃましたいですね。
投稿: goto | 2013年4月15日 (月) 06時04分
gotoさん、おはようございます。
とても想い出に残る山でした。
あんなに贅沢な特別な時間は、
天気や雪のタイミングや諸々・・二度と巡ってこない幸運かも?と思いました。
迎えてくれた神と連れて行ってくれたgotoさんに大感謝です。^^
スキーは勿論楽しかったですが、体力的な燃焼度も最高で、登山としての満足度も大大大でした。
あの景色の中に、また行かなきゃですね。^^
投稿: Fumi | 2013年4月15日 (月) 06時51分
白山行くんじゃないかと思ってましたよ。
次回は岐阜側からアタックですか?
投稿: MA310 | 2013年4月15日 (月) 23時02分
MA310さん、こんばんは。
前回のコメントで、来週は自転車に乗って山スキー!って言われたので
ちゃんと実行してきましたよ♪(^^)
えっ?そうなの?^^;次は岐阜から?・・・考えてない。^^;;;
投稿: Fumi | 2013年4月16日 (火) 01時54分