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2012年11月18日 (日)

郷土の文化の日

 

この週末は関西文化の日でした。

2府8県にわたって、数々の文化施設が無料開放される

毎年恒例の企画行事です。

 

折角なんでたっぷり時間を取って遠出でもしたいところですが、

今週は何だかんだとお疲れモード。

昨日も仕事で、ここんとこ寝不足だった為、

貴重な休日の日曜日、ガッツリと朝寝坊しました。

11時過ぎに起床(^^;)

 

ゆっくりブランチを戴いてから、

家族揃ってお出掛けしました。

 

先ず向かったのは 『 福井県立歴史博物館 』

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勿論、関西文化の日の今日は常設展は無料ですが、

ここへ来たのは仏像を見たいとの妻のリクエスト。

折しも、現在の企画展は 『 泰澄ゆかりの神仏 』

先日、文字通り泰澄ゆかりの越知山に登ってきたばかり、

私も興味津々。見とかなきゃ。

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浅水町にある、泰澄の生家を寺にしたと伝えられる「泰澄寺」からの10体を始め

そこから程近い冬野町の「猿田彦神社(蕗野寺)」

鎌倉時代の秘仏を祀る「朝日観音(福通寺)」

朝日観音御縁の「日吉神社」 から、30体以上の仏像、

絵図や曼荼羅、

県内外の多数の博物館から貸し出された資料の数々です。

当然、泰澄ですから白山にまつわるものも多く、

こんなのが身近にあったの!?って驚くほど、大きくて立派な仏様も複数で

中々の見応えでした。

仏像は、信仰の対象でありますが、立派な美術品ですね。

 

企画展を堪能したら、常設展へ。

何度も訪れている場所ですが、ここの常設展は本当に充実しています。

館名から連想される様に、石器や古墳の時代からの展示はもちろんですが

地元の工芸や産業の歴史に関する展示も充実していて、

繊維から近年のめがねに至るまで、興味が途切れることなく時間が過ぎます。

 

そして、県立歴史博物館といえば、

何と言っても昭和の香り。

我々でも実感のある懐かしさを覚える

『 ちょっと昔 』 に関する展示が素晴らしいです。

自動車から身の回りの生活雑貨、時代を反映する雑誌や玩具・・・

全て実物が展示されている。

実物大ジオラマ的なコーナーが大好き。

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館内で、このエリアだけは撮影OKです♪

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しょうわぁ~

 

おもしろいね。^^

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昔、近所のおにいちゃんが自慢気にこんなの乗ってたなぁ・・・

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た、たっか!

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30年程前でこの値段って、

なるほど、『 超高級スポーツ車 』 なのね。

 

次に向かったのは市街中心部。

『 養浩館庭園 』 無料開放の恩恵にあずかります。

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旧福井藩の迎賓館にも使われていた、福井藩主の別邸跡です。

お泉水屋敷との呼び名があった様に、池と一体の建築が特徴。

 

紅葉もぼちぼち楽しめました。

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終日小雨がちな今日、

青空だったらなぁ~、もっと素晴らしい眺めだろうな・・・

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青鷺が池の魚を狙っていました。

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園内をぐるりと散歩。

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建物内にも入れます。

よくお茶会の会場に利用されたり、

結婚式の写真撮影をされる方もいますね。

 

この部屋は湯殿。

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といっても、今の様なお風呂ではなく、蒸し風呂。

サウナみたいな感じ。

 

子供達は池のコイに夢中。

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「ねぇ~!エサ売ってないんかぁー?」

そんなモン無いわ!

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次に向かったのは、足羽山の愛宕坂。

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普段お金を払ってまでは中々入る気になりませんが(^^;)

ここにも美術館・博物館があります。

 

先ずは、『 橘曙覧記念文学館 』

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『たちばなのあけみ』は、福井藩時代の歌人。

清貧を絵に描いた様な暮らしの中で、

自然や、素朴な人の心を捉えた感性が素晴らしく、

「たのしみは・・・」で始まる歌の数々が有名です。( 『独楽吟』 )

 

たのしみは 朝起きいでて 昨日まで 無りし花の咲ける見る時

たのしみは まれに魚煮て 子等みなが うましうましと言いて食ふ時

たのしみは 妻子(めこ)むつまじくうちつどひ 

                         頭(かしら)並べて物をくふ時
     
    

 

庶民の幸せを、実に見事に表現していると思います。

人物としての評判も高かった様で、

身分制度のはっきりしていた時代なのに、

藩主の松平春嶽がわざわざ橘曙覧の藁屋を訪ねています。

歌人としても、後に正岡子規が絶賛するなど、評価されていますが

近年では、

天皇陛下がアメリカを訪問した際に、当時のクリントン大統領が

独楽吟の中の一首を引用してスピーチしたことで一気に有名になりました。

 

福井が誇る数々の人物の中の、重要な一人ですね。

 

 

次は、

その対面にある 『 愛宕坂茶道美術館 』

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一乗谷に栄えた朝倉氏が、

一地方豪族でありながら京都の文化を積極的に取り入れていたため、

当時の田舎としてはかなり立派な茶の湯文化を有していたそうです。

常設展はそれを中心としたもの。

更に今は、狩野派に関する企画展も合わせて無料。

私でも知っている江戸時代のビッグネーム、狩野探幽の掛軸も見られました。

画面一杯に描き込むのではなく、余白を使って様々な事を表現する。

ちなみに、

当時、絵師になるには相当な修行・下積みが必要だった様で・・・

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7~8歳で入門し、

一人前として名前を貰える様になるのが25~26歳だったそうです。

 

 

 

最後は、『 福井県立美術館 』

ここもお嫁ちゃんのリクエストで、県美展を見に行きました。

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今日はこんなのばっかりで、子供達もたないかと思いましたが、

それなりの雰囲気を察してそれなりの振る舞いが身に付く様で・・・

まあそれなりに大人しくしていました。

いつもなら賑やかな男子も、ちゃんとひそひそ声。

子供なりに絵画や写真にも見入っていた様子で、

無邪気な感想など、色々会話も出来ました。

今日は、早く帰りたいとダダをこねる事もなく、無事回れました。

 

美術好きの長女は大満足。

 

最近は、キャンバスに立体的にデコボコと表現するのが流行り?

一階の展示は私には目が疲れる様な雰囲気でしたが、

二階の日本画のコーナーは非常に落ち着いて癒されました。

まあ、どちらもとても良かったです。

県内で、

絵画、造形、書道、様々な分野で芸術の高みを目指す方々の集まりですから

とっても見応えがありました。

 

 

普段からもっと、こうしたものに触れる機会があれば良いのでしょうが、

中々、わざわざお金を払って足を運んで、

自分から求めるモチベーションは湧かないものです。

でも、一歩踏み出して、日常では縁遠い世界に触れてみると

更にその先への興味が湧いて、

この歳になっても、自分には学習意欲が眠っていたのだと気付かされます。

『 関西文化の日 』 の取り組みは、本当に素晴らしいと思います。

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半日だけでしたが、

今年もまたこの企画のお陰で

充実の休日が過ごせました。

 

楽しかった♪

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