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2012年8月31日 (金)

娘と自転車二人旅 前編

 

念入りに装備の再確認をして、

しっかり朝食をとって、

6:50 妻に写真を撮ってもらって

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さあ、出発。

娘も良い笑顔だ。

 

稲刈りが始まっている坂井平野、嶺北縦貫道路を北上。

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そもそも、こんなふうに娘と一緒に走るのは初めてなので

何度も 『 速いか? 遅いか? もっと飛ばせる? 』 を確認し合いながら、

ペースメイキングに努める。

やがて、17、8~20Km/h 以下が丁度良いことが分かり、

常にメーターを確認しながら、抑え気味を強く意識して走る。

 

私が、今回の様な平地メインのコースで金沢へ行く場合、

概ね自宅発3時間で金沢到着となるが、

夕方までだと思えば、その3倍は時間を掛けられる。

余裕を持って、ゆっくり、ゆっくり。

 

北潟湖東岸の道を、発電風車を眺めながら。

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吉崎御坊で最初の休憩。7:50

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娘は早くも500mlを飲み干してしまった。

水分補給は大切だけど、そんなペースで飲み続けたらお腹壊すぞ。

 

7:56 石川県入り。

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大好きな塩屋の港、大聖寺川河口を眺めて

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海水浴場の駐車場裏からサイクリングロードに乗る。

林の中の道。

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ロードでは走り辛い道だが、

今日は安全第一。

急ぐ必要は無いから、出来るだけ一般車両の居ない道を多く使う。

 

塩屋~片野の砂浜を眺められる東屋で休憩。

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片野でサイクリングロードが終わって、

(県)143~(県)19 で橋立へ。

北前船で栄えた街。

「学校で習わんかったか?福井の河野とか敦賀、三国もそうやぞ。」

娘に解説しながら、石畳の裏路地を巡って、大きな屋敷を眺めながら、

8:46 橋立の港。

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そろそろ、ジリジリと暑くなってきた。

程近い尼御前岬へ寄って、

北陸自動車道のSAへ裏から入って休憩。水分購入。

更に、親子二人して栄養ドリンク補給。

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(県)20で片山津IC前~小松空港脇を走って、

市道に入って安宅の関。9:45

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勧進帳の話や、源氏と平家の話など、

娘は半分ほども知らなかった様なので、

旧街道が江戸時代に内陸に再整備されるまでは海側を通っていた事や、

関所の事、弁慶と義経の逃避行などなどを説明しながら、

松林の中の遊歩道を押し歩き&担ぎで進む。

林の中に、住吉神社がある。

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お賽銭をお上げして、二人でお参り。

道中の無事を祈願。

実際に関所が在った場所は

海岸侵食により既に海中となっている筈だと記憶しているが、

神社の裏手に安宅の関跡が整備されて 『 勧進帳ものがたり館 』 がある。

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ここでも娘は水分購入。

そんなに飲んで大丈夫か?と思うが、全て汗で出ているもよう。

トイレへも行きたくないと言う。

私は水分よりも空腹。菓子パンにかぶりつく。

        

安宅港口灯台

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暑いけど、気持ちイイなぁー!

度々頭上を飛行機が行き交う。

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今日は平日なので自衛隊の戦闘機や練習機も爆音を響かせていた。

 

梯川を渡った先からは、

一般道を避けて海岸沿いのサイクリングロードを行く。

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誰~も居ない。

長閑な海岸を、の~んびりお喋りしながら流す。

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「水平線って、やっぱ、まっ平らじゃなくて、地球は丸いね。」

    
    

手取川河口を過ぎ、

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一旦サイクリングロードを離れて、

手取公園の管理棟に入って冷房の中でクールダウン。11:05

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一息ついたら、

(県)25を徳光SAまで走って、

 

11:37 昼食休憩にする。

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娘はカツカレー。私はハンバーグハヤシ。

娘の食べ残しも頂く。

 

走行距離が60Kmを過ぎた辺りから、やはり娘に疲れが出てきた。

お尻は痛くなくて全然大丈夫とのことだが、

脚の疲れに加えて、手や手首などが痛み出している。

やはり、フラットバーのMTBで長距離は辛いだろうね。

 

でも、

「大丈夫」 とのこと。 まだまだ元気。

        

徳光から先は、自分独りなら『しおさいロード』に乗るところだが、

再び海岸沿いのCRに出て、のんびり走る。

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疲れていても、緊張する必要が無い道だから楽だ。

 

サイクリングロード終点は 『 県民海浜公園 』

「よく頑張った!もう金沢市に入ったよ(^^)」

「やったぁー!♪」

でも、この辺りから急速に空が黒くなり始めた。

犀川のサイクリングロードに乗って市街地中心部を目指すが、

終にポツポツと落ち始めて、

夕立の様な本降り。雷も鳴り出した。

已む無く橋の下で雨宿り。13:08

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当分止みそうに無い。

退屈しのぎに、こんな古典的な遊びなどで時間を使う。

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こんなふうに強く降る雨は小一時間以内で治まる。

良い休憩になった。

雨上がりのサイクリング。

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とうとう、金沢の街に入ってきたよ。

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さあ、観光しようぜ。

 

先ずは、W坂下から台地の上へ出て、犀川の西をフラフラする。

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西の茶屋街 13:57

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見番(芸妓さんの詰め所、稽古場。)

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寺町の寺院群を散策。

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蛤坂から再び犀川沿いへ下って、

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『 金沢ステンドグラス美術館 』 へ。 14:15

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教会なのですが、多数あるステンドグラスがどれも19世紀のアンティークで、

イギリス、イタリア、ドイツなど、作られた国の風土による色彩の違いや、

製造方法の詳細や技法など、また宗教画としての意味合いなどを

係りの方が付いてくださって、作品の一枚一枚について解説をしてくれます。

全部で30枚程はあったでしょうか。

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美術好きの娘にとっては大変有意義な時間だった様です。

また、この建物自体が

19世紀のイギリスで活躍したウィリアム・モリスの自宅を再現したもので、

部屋の壁紙やテキスタイル、ファブリック等々はモリスのデザインによるもの。

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街の喧騒を忘れ、一転静かな時間が過ごせました。

 

犀川を渡って、市中心部へと向かいます。

21世紀美術館前を通って、

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街を東へ横断して浅野川を渡ります。

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15:03 東茶屋街

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ぶらぶら歩きを愉しみます。

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小腹が空いてきたので、おやつ。

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二人とも抹茶ソフト。

 

浅野川大橋で西側へ戻って、

三つ目の茶屋街、主計の茶屋街。

浅野川沿いの道ではなく、細い裏路地を行くと、

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人通りの無い奥に、暗がり坂があります。

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坂上の街から、お宮さん(久保市乙剣宮)の裏手を抜け、

花街へと下る階段です。

昔、茶屋街が華やかだった時代に、

旦那衆が人目を避けて主計や東の茶屋街へと通った道で、

作家の泉鏡花もよく通ったそうです。

 

その暗がり坂の上の街は、

前田利家の時代に作られた尾張町。

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今でも老舗が軒を連ねる商店街として有名で、

展示で学べる『老舗交流館』や、先述の泉鏡花の博物館、

また、町をあげて、ミニ美術館活動もしており、古い建物と共に楽しめます。

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街中散策の続きは、隣町の近江町市場へ。

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「どじょう食べようよ。」って娘を誘いますが、拒否されました。

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交通・人通りの激しいR157を避けて裏通りを進み、

長町の武家屋敷街を抜け、 15:55

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16:20 片町の繁華街裏にあるビジネスホテルへチェックイン。

「エレベーターは使わずに階段を担いで上がるから」 と、

部屋に自転車を入れさせて貰える様に交渉しましたが

非常階段以外に常用の階段が無く、エレベーターも自転車には狭く、無理。

回転ドアのホテル玄関前、

フロントから見渡せる場所に、鍵三つ使って、頑丈に、念入りに係留。

 

一旦、それぞれ部屋へ入って、シャワーを浴びる。

ついでにレーパンも洗って干しておくように、娘に指示。

小学校の修学旅行でビジネスホテルは経験済みの娘だが、

独りでは当然初めて。かなり顔が緊張している。

一緒に部屋へ入って、

風呂の使い方やエアコンなど部屋の装備を教えてあげて、

5時になったら外へ出ようと決めて別れる。

 

さっぱりして着替えたら、

「晩飯何にする?」 って相談しながら、夕方の街をぶらつく。

田舎モン丸出しで落ち着かなくなる都会的な雰囲気の通り、

そして、その直ぐ一本裏には昔ながらの住宅街。金沢の町は面白い。

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すき屋みたいな格安ファーストフードで済まそうか?

それともちょっと奮発して、昔妻とデートで行っていた店へ入るか?

実はお父さん的には完全に居酒屋の気分なんだけど。

え?それはダメ?

中々これといった店が見つからず、時間に余裕があったこともあって、

片町~竪町~柿木畠~香林坊~

かなりの距離を歩いた。

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結局、相談の末に落ち着いたのは王将。 18:00

安くて、ガッツリ。

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庶民はやっぱ、こんな店がいいね。

ビールは・・・この後の予定の為にぐっと我慢。

 

夕暮れの街へ出ると、

再び雨が落ち始めていました。

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所々雨宿りをしながら、

軒下を繋ぐ様に歩いて、走って、

金沢21世紀美術館へ。

 

夜の部のお楽しみは、ナイトミュージアムです。 

有名なレアンドロのプールも、昼間とは全く違う空間。

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徐々に雨が強まってきて、雷も光っています。

雨粒の波紋を水中から眺める。

これはこれで、貴重な出逢いだなぁ。

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コレクション展を見て回りましたが、それらは当然写真はNGです。

 

草間やよい氏による作品で、

暗い部屋、日常の家具や調度品で満たされた部屋が、

ブラックライトによって発光する無数のドットで多い尽くされた空間は

見事な非日常的な感覚が味わえて、本当に面白い。

 

ジェームズ・タレルの部屋は、

無機質な正方形の部屋で、天井の中心が切り取られて穴が開いています。

昼間ならばそこから空が見えて、瞑想できそうな部屋なのですが、

今夜はその四角い穴から雷雨が降り注いでいます。

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部屋の中に四角く雨が降る。

面白いね。

 

ぼ~っと、そんなのを眺めて、静かに音を聴きながら・・・

このまま本降りだったら、タクシーで宿へ帰らなきゃなぁ。

 

図書スペースで雑誌を読み耽ったりしながら、

同じ様に雨宿りなんだろうなぁ・・・な人達と、

閉館ギリギリまで待って

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どうにか、

小雨の中を香林坊まで歩き、アーケードの下に入る。

 

コンビニで酒を3本買って、宿へ戻って、

私の部屋でお喋りしながら過ごす。

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やれやれ、

長~い、長い一日だったね。

今日一日の思い出話や、お母さんや弟達のこと。

明日の相談。

 

やがて娘は眠気に勝てなくなってきて、

9時半頃に部屋へ戻って就寝。

 

私は、

充実の時間を噛み締めながら、

独り酒を愉しんで。

 

日付が変わるちょっと前に就寝。

 

 

思っていた以上に、娘はタフだった。

意外に問題なく走ってこれて、

この調子なら明日も元気に楽しめそうだ。

 

1日目の走行距離 95.23Km

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コメント

良い旅したね(^-^o)
娘と一緒で泊まりで走るなんて凄い
自分はそんな時が無かったなぁ・・・
自転車をもっと早くやっていれば良かったと読んでいて悔みます
今は娘はとても走ってくれない(;´Д`)

夜中のお酒 美味しかったでしょうね(^-^o)

投稿: マサヒ | 2012年9月 2日 (日) 18時36分

素敵なステキな旅が始まりましたネ?
こんな貴重な時間は、
二度と経験できないような宝物になることでしょう
Fumiさんのお父さんぶりが素敵過ぎます~

あああ、金沢ステンドグラス美術館もキニナル~

後編も期待してま~す

投稿: フレディ・M | 2012年9月 2日 (日) 20時54分

マサヒさん、こんばんは。
そもそも生き方が旅っぽいマサヒさんに憧れます。^^

父親の娘に対する感情は・・・
やはり特別なものがありますね。
そう仰らず(^^;)今からでも娘さんとラブラブして下さい。
私も、もっと早くに自転車をやっていればと、常々思います。
あんなに時間が有り余っていた学生時代に、
もっともっと素晴らしい時間が過ごせただろうと。

隣の部屋で娘が寝ている晩の独り酒は、
これもまた、素晴らしい思い出です。^^

投稿: Fumi | 2012年9月 2日 (日) 21時24分

フレディ・Mさん、こんばんは。

ステンドグラス美術館は、大人500円。
普通の人にとっては高価く感じてしまうのでしょうが、
その価値が分かったり、深い目で見られるフレディさんの様な方にとっては
時間を忘れるような楽しい空間だと思います♪(^^)
古い時代に、デザイナーという職業を確立した?
そんな、ウィリアム・モリスは、凄いなぁと思いました。

娘に捨てられ行く父親が、
すがる様な思いで企画した旅です(笑)

頑張って後編執筆します。^^;

投稿: Fumi | 2012年9月 2日 (日) 21時31分

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