11月21の朝、白山登山口、別当出合のライブカメラが雪景色になりました。
その後も冬型の気圧配置が続き、山はしっかりと降雪。
思えば昨年の晩秋、私が冬山を目指すことを決めたきっかけは、
雪景色の白山を見たいと思ったからです。
週の半ばではまだまだダメそうな予報だったのが、週末が近付くにつれて一気に好転。
お尻がムズムズして落ち着かない。
いてもたってもいられず、取り合えず出撃です。
今日はみっちゃんと。
AM5:30 白峰のゲートを出発です。

冬季は、登山口までの車両の進入は出来ませんので、
自力での移動が必要となります。
真っ暗闇の中を、前照灯×2+ヘッデン(頭に付けるライト)で進みます。
激寒の明け方、路面はバリバリ、ツルツルの箇所が多く、
所々乗車不能です。ツルツル路面は、歩くのもままなりません。

途中、撤退して引き返して行かれる方とすれ違います。
不安たっぷりで進み、
「今日は何処まで行けるかなぁ~」
「無理せず途中撤退ありでね。」
的な会話で意思の統一を図りつつ、
どうにかこうにか、別当出合に到着。
かな~~~り!ヘロヘロになりました。自転車で、人生初の完全脚攣り経験。
真夜中発の方々が既に到着されていて、我々も含めて計7台ありました。

こんな時期にこんなトコロへやってくる方は、だいたいメンバーが限られます。
この自転車は・・・この自転車も・・・ネットでも有名な方が入山している様です。
見慣れた風景も今日は雪景色。

さあ、出発です。 (AM8:27)
冬の白山登山といえば、先ずはコレが必須。
踏板を外されてしまった吊橋の一本渡りです。

気合を入れて望みます。

吊橋なんで、多少揺れますが、
難無く渡り終えました。思っていたよりは平気でした。
さて、今シーズン初の雪山。
ここまでの、デカザック背負ってのMTBヒルクライムでかなり消耗しており、
脚の様子を診ながら、相当不安なスタートでした。

先行者のトレースは、
スキーの道が一本。ストックの形跡を見ると、どうやら三人入っている様です。
つぼ足歩行の跡が一人。

久々の雪上歩行は、やはり気持ち良いです。
半年振りに堪能する雪の森の雰囲気に、とっても癒されます。
序盤は騙し騙しの歩行でしたが、
徐々に足攣りの恐怖は薄れていきました。
中飯場で最初の休憩です。(9:25)

ようやく、向こうの尾根から陽が射してきます。
やはり、二人とも自転車クライムでの疲労がこたえていますので、
ここから先は時間計算を考えながら、
どこまでを目標にするか、探り探りの行程となりました。
中飯場を経って直ぐに、先行者の足跡が逆を向き、引き返しています。
結構な積雪の新雪歩きは、延々ラッセル。
体力的にはかなりキツイです。単独行では無理も無いと思います。
我々も、ここまではつぼ足で頑張りましたが、
先の事を考え、ワカンを装着しました。

多少楽にはなりましたが、ふかふか新雪は辛い。
先頭を交代交代、休み休み進みます。

なんと、
雪上に、毛虫が一匹居ました。
何処かの木から飛ばされたのか・・・

可哀想ですが、恐らくこのまま息絶えるでしょう。
蛹にならずに、こんな場所の冬は絶対に越えられない。
観光新道側の尾根が見渡せる場所まで上がってきました。
まだ時間は早いですが、先行のスキーヤーが下山して来てすれ違います。
先頭は金沢のHさん。
続いて、みっちゃんのお知り合いの野人さん。

暫し談笑を楽しみ、写真を撮って、別れを惜しみ、Good Luck!
景色も良いし、ここで休憩にしました。

正面には大長山を中心とする峰々。

左手奥を振り返れば、別山を構成する山容。

高度が上がるにつれ、徐々に雰囲気が盛り上がってきます。

雪上は、何処もかしこもウサギの足跡だらけです。

縦横無尽。
ラッセルラッセルの行程は、中々ペースが上がりません。
疲労度も相当。
相談の結果、帰りの事も考えて、
今日の行動リミットは、「12時で引き返し」と決めました。
時間的に考えて、今日の最終目標は甚之助避難小屋と定めました。
それでも時間ギリギリです。
果たして辿り着けるのか半信半疑ながらも気合を入れて進みます。
リミットぎりぎり、11:55 ようやく甚之助ヒュッテを視界に捉えます。

山頂へ続くスキーヤーのトレースは西へ大きく外れていましたので、
深ラッセルでアプローチ。12時をちょっぴり回って、ようやく到着。

降雪以後、人が立ち入った形跡は全く無いようです。
まっさらの雪原に、気持ちの良い足跡を刻みます。

今年新築されたばかりの甚之助小屋。
今はまだまだ序盤で、積雪も少ないですが、
真冬になれば階段のついた二階の出入り口が玄関になります。

目の前に広がる新雪テラスからの眺めを堪能します。

中途半端な撤退にならず、ここまで来れて良かった。
今回学んだ、改めて認識したポイント。
・歩きで雪景色の白山に登頂したかったら、別当が白くなる前!
弥陀ヶ原や室堂から上が薄っすら雪化粧した程度の内に来ること。
・または、雪がしっかり締まった春以降、5月位に来ること。
・冬序盤の積雪期の登頂は、山スキーでなければ無理!歩きは無理!
(以上、日帰りを想定)
天気は徐々に高曇りになってきました。

名残惜しいですが、下山です。
雪山の下りは、登りの辛さが嘘の様に、本当に楽。
スイスイ進んで、中飯場で再び休憩。

目の前の広場で雪に埋もれるテーブルと椅子が可愛らしくて、
みっちゃんが写真を撮っていました。

最後の細い尾根を谷へ向かって急降下すれば、
ゴール間近です。
最後は再び、一本橋。

みっちゃん、かなり余裕でした。

渡りきったらゴール。
鳥居をくぐって、脱帽、一礼。(14:05)

さあ、帰ろう。
そうだった、ここはゴールじゃない。
白峰のゲートまでは、まだまだ遠い遠い。
今日の私は、ちょいと珍プレーをやらかしてしまい、
パンクしたタイヤでの往復。

いや~辛かった。
重い重い、進まない進まない、登れない登れない・・・
素晴らしいトレーニングになりました。(TT)

帰りもヘ~ロヘロ・・・
15:20 ようやくゲートへ帰還。
辛くても、素敵な1日になりました。
また一つ、山の経験を積んで、チャレンジする気持ちが湧いてきました。
みっちゃん、有難うございます。(写真も。)
よし!また行くぞ!
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