« 夕ヘロ 奥平18本目+ | トップページ | 魚釣りという教材 »

2011年7月 9日 (土)

桧尾峠道 草刈登山

私はこれまで、山は単純に楽しむ側の人。

整備された登山道を快適に歩き、

時には勝手に道の批評などもしながら、楽しむだけ。

でも、その登山道には必ず

整備や維持を担う裏方が居る。

今回、YAMAさんが金草岳への登山道の草刈に行くとの事で、

同行を願い出ました。

同じく志願兵みっちゃんと、三人での山行です。

今でこそ、冠山や金草岳へのアプローチは、

福井・岐阜両県側から共、

国道417号線の奥、冠山林道の冠山峠まで車で簡単に登山口に行けますが、

この林道は、歴史的に見れば比較的新しい道。

ず~っと昔、歩きが移動のメインだった時代には、道が違っていました。

福井県側からは、

池田町から冠山峠へ向かう途中の河内地区から楢俣川沿いに入って、

白倉谷と楢俣谷に挟まれた尾根を桧尾峠まで登る道でした。

この峠には、岐阜県側のソバク又からも道が上がってきていて、

これがいわゆる古道です。

その昔、雪の無い季節には、

この道を使って、美濃と越前の山奥で、人的交流が行われていたそうです。

現在も登山道がありますが、

冠山峠が整備されたことにより、

大変玄人好みのマニアックなルートになってしまいました。

当然、この道を歩く人はどんどん減り、徐々に埋もれつつある現状。

以前、金草岳への道は

YAMAさんが所属していた山の会が年に二回、草刈登山をしていたそうですが、

今は、時の流れと共にその会も解散してしまいました。

由緒あるいにしえの道。消滅させるのは勿体無い・・・。

この山、この道に思い入れのあるYAMAさんのお手伝いに出発です。

だいたいこんなルート

先ず、

1台に乗り合わせ+MTB3台積載で、冠山峠へ。

帰りはココへ下ってくるルートで周回しますので、車をデポし、

ここで装備を整えて、

Img_5962

MTBにて楢俣林道を目指します。

Img_5968

楢俣林道口まではダウンヒル。

気持ちイイけど砂の浮く道。慎重に飛ばします。

Img_5972_2

河内地区から林道に入ります。

Img_5976_2

一昨日の晩、県内は豪雨でしたので、

未だに道はぬかるみ、沢の水も多いです。

本当は登山口までMTBで行きたかったのですが、

帰りに車で自転車を回収に来なくてはいけない為、この様な場所で終点。

Img_5981_2

自転車盗られては困るので、車が入れない場所から少し進んだ先に、

ワイヤー錠で三台繋いで放置。

Img_5983_2

ここから先は歩きです。

Img_5984

やがて登山道の入り口に到着しましたが、不明瞭。

先ずは、入山箇所がはっきり分かる様に草刈をし、目印の赤布を取付け。

Img_5986_2

落ちていた看板も取り付け直し。

Img_5988

『桧尾峠ヘ沢ワタル』

いきなりの渡渉(川を渡る)です。ここから尾根への登山道が始まります。

Img_5990

いつもなら石の上をぴょんぴょんと渡れるそうですが、

大雨の後なので、そうはいきませんでした。石の上は滑る。

みっちゃん、開き直ってザブザブと歩いて渡ります。

ここで丁度お昼になってしまったので、

涼やかな流れの音を聴きながらランチにしました。

Img_5994_2

さて、ここから尾根への急登が始まります。

この取り付きにも、YAMAさんが目印の赤布を取り付け。

Img_5992

さあ、登ろう。

労働開始です。

H23kanakusa010a

序盤は急斜面に難儀しながらの作業。

Img_5998

しかし、日陰のこの辺りはまだ道がはっきりしており、楽。

やがて、日当たりの良い尾根道は、所々が藪に覆われる様になってきます。

H23kanakusa017a

初めて来た人でも道が判る様にするイメージで藪を刈り、

手に負える程度の倒木はノコギリを使っての作業で撤去しながら進みます。

刈って刈って刈りまくる。

山歩きなのに、腕が棒になりそう(笑)

刈らなきゃ進めない様な箇所も多いので、キツイ行程が続きます。

地面に残る踏み跡を見失わないように、トップが荒い刈り方で切り開き、

後続が道としての体裁を整えながら進みます。

自分達の背丈を遥かに越える藪も多く、遅々として進みません。

体力的にこたえますので、先頭を交代しながら、着実に。

当然、虫だっています。

Img_5995

気にしてたら進めません。

余りに藪が酷い場所や、大きな倒木が塞ぐ場所では度々ルートを見失い、

偵察の藪漕ぎを行って、ルートを確定した後に刈り込みます。

誤って道でない方向へ闇雲に刈ってしまうと、

後々ココを歩く人を迷わせてしまいますので、慎重さを要する工程です。

辛い辛い・・・と思いながらも、

美しい森。

ブナの大木も見守ってくれます。

H23kanakusa014a

飲んでも飲んでも喉が渇く。

途中小休止で、みっちゃんに戴いた冷えたトマトの美味かったことといったら・・・

これまでの人生で最高のトマトかもしれません。感謝感謝。

写真があるのは、優しい場所だけ。

H23kanakusa018a

藪と格闘する場所では三人揃って必死なので、

言葉も少なく・・・ 悲壮感すら漂い・・・

写真なんて無い。

時々YAMAさんがGPSでチェックしてくれる

「あと○○○メートル位やなぁ~」 の情報を頼り&望みに、

いつ終わるとも知れない作業。

急な登り箇所もあり、足場の悪い痩せ尾根もあるとはいえ、

おそらく距離にして3Km無い位の登山道。

それなのになんと、桧尾峠へ出るまでに、5時間も掛かってしまいました。

H23kanakusa019a

つ、疲れた~。

3リッター以上背負ってきた水分は殆ど底をつきましたが、

一度も小便がしたくなりませんでした。

ここでやっと大休憩。安堵のお喋りです。

みっちゃんから凍らせたゼリーを戴き、(今日も御馳走になってばっかりで・・・)

超超超な美味さに、ヘロヘロのおっちゃん二人は無心に食べ切ります。

草刈はここまで。

冠山峠から桧尾峠を経て金草岳への道は登山者が多く、

よく踏まれ、整備された道。

おつかれさん。刃物は背中に仕舞って、

快適な登山道を冠山峠へと、1時間程の道のり。

車に着いて。

MTBを回収に向かって、川で軽く車体を洗い、ようやく撤収~。

やってる最中は夢中で疲れ果てていたけど(笑)

とっても良い経験になりました。

廃道寸前の登山道だって、進むのが困難な位の藪だって、

踏み跡を頼りに、よ~く周囲を観察して、ちゃんとルートを見出せる。

進むことができる。

また一つ、自分に経験が身についた。

何気に気楽に楽しんでいる登山道も、きっと裏方作業をしてくれている人が居る。

そんな事に気付くコトができた。

YAMAさん、素晴らしい経験を有難うございます。^^

お二人とも、本当にありがとうございます。

今日もまた、

素晴らしい、

思い出に残る山行でした。

|

« 夕ヘロ 奥平18本目+ | トップページ | 魚釣りという教材 »

コメント

Fumiさん、おはようさん♪
昨日は変なコースにお付き合い、ありがとさんです!
それにしても暑かったですね。体が汗でドロドロ(泣)
水分ばかり補給して、おにぎりとパンが余ってしまいました。
まあ、林道があの状態なので、廃道化は避けられない
でしょうね。
次はもっと楽しい?MTBコースに行きましょうね(^^)

投稿: YAMA | 2011年7月10日 (日) 06時16分

YAMAさんお疲れ様でしたぁ。

私も昨晩は腹が減ってるのに食欲が無い、へんな体調でした。
おまけにスネ周りがブユにやられまくってぱんぱんに腫れてます
腕にも1箇所。右ほほにも1箇所。耳の下のリンパ線が腫れてます
それでも、昨日のビールは最高ー!
有意義な1日でしたよ。^^

登り応えも適度、森の美しさも申し分ないのですから、
道が綺麗に空いてさえいれば、例え少なくても利用者はいるのでしょう。
玄人好みの道ですよね。

便利なモノに押される。時代の流れですね。^^

また遊んで下さい。

投稿: Fumi | 2011年7月10日 (日) 11時34分

ご苦労様でした
ボランティアの人の苦労で安全に登山できます

草刈りって重労働ですね
草刈り機を使うのかと思ったら違うのですね

冷たいトマトやゼリーは汗をかいた後には最高のデザートですね

近場でしたら一緒に作業したかったです

今日は首筋に訳のわからない虫に何か所もやられたと思うのですが薄皮がめくれて水が出て痛いです(;´Д`)

投稿: マサヒ | 2011年7月10日 (日) 13時48分

マサヒさん、こんばんは。

霊仙山でやられたのですか?
今が一年で一番虫が酷い時期かもしれませんね。^^;
でもって、汗をかくこの時期は、小さな傷でもしみる様に痛くて、
寝る時とか辛そうで、同情しますぅ。(TT)

あれだけ酷い藪や難儀な道は、
草刈り機を持っては上がっていけないと思います(^^;)
由緒ある古道も、時代と共に消えてゆくのですかね。
YAMAさんにとっては、
山と共にあった青春の1ページ思い出の地なのでしょうか。

あのような山中で、冷た~いトマトは本当に最高のご馳走でした。^^
贅沢とは何か?気付かされる程の衝撃ですよ(笑)

あんな辛い作業も、
マサヒさんが一緒だと超楽しそう♪^^
今度は是非、YAMAさんから召集してもらわなきゃ(笑)

投稿: Fumi | 2011年7月10日 (日) 19時05分

fumiさんこんばんは
山の下刈りご苦労様です。マムシはいませんでしたか?
僕も自分の家の山の下刈りには時々いくので、その大変さは良くわかります。
下刈りには、越前打ち刃物のなたがいいですよ~

投稿: 百太郎 | 2011年7月10日 (日) 20時31分

百太郎さん、こんばんは。

我々の歩みが余りにも遅いので、
マムシは余裕で移動出来たのだと思います(笑)
あれだけワサワサバサバサと動きながらだと、
獣とのバッタリも無いだろうと。^^;

ナタも持参して行きましたが、
刃物を使い慣れていないため、活躍させてあげられませんでした

投稿: Fumi | 2011年7月10日 (日) 21時12分

ご苦労様です~~

藪漕ぎってホント大変なんですね
気持ち良く山登りさせていただいているのも
こういったボランティアの方々が
頑張って道を作っているからなんですね

ホント、感謝・感謝です

ところでブトに刺された個所は大丈夫ですか?

投稿: taizo | 2011年7月11日 (月) 11時30分

taizoさん、こんちはぁ~

今朝はポンポンに腫れて、中々凄い事になってます
足首がちゃんと曲がらないです(笑)
虫除けも持たずに、山をなめてました。^^;
色々と勉強になります(TT)

人気のルートは藪にもなりにくいのでしょうが、
その分痛みや崩壊が進みやすくて手入れが必要。
マニアックなルートは(笑)
藪になっちゃうから誰かの手入れが必要。
私も改めて、裏方さんへの感謝を思いました。

投稿: Fumi | 2011年7月11日 (月) 12時32分

Fumiさんおはようございます!
登山道草刈りお疲れ様です。ボクも以前、白倉谷に行ったときは林道最奥まで車で行けたんですが、あのままだと廃道になるのかな。(そのとき草刈り中のYAMAさんに遭遇)
金草岳から檜尾峠、檜尾峠からの激下りで車の元に到着しました。あの激下りや痩せた尾根の登山道の整備だったんですね。お疲れ様でした。
それと虫多かったのでは?あのスプレー役に立ちましたか!?

投稿: ゲンゴロウ | 2011年7月12日 (火) 05時46分

ゲンゴロウさん、ありがとうございます。

この日はゲンゴロウさんの話が何度か出ましたよ。^^
この道を使ってくださる方が居るんだなと思うと、
草刈にも精が出ました。

虫!
先日の白山登山でも虫が多かったのですが、
戴いたあのスプレーが大活躍でした!(^^)v
っが!
この日は忘れていってしまったんですぅ~
足首~すね周りを酷くやられてしまいました。
油断してました・・・。
山をなめちゃダメですね(TT)

投稿: Fumi | 2011年7月12日 (火) 07時10分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 桧尾峠道 草刈登山:

« 夕ヘロ 奥平18本目+ | トップページ | 魚釣りという教材 »