実感と喜びに満ちた汗
今日は絶好のライド日和。
赤いマシンに跨り、気持ちの良い風に吹かれよう!
コックピットからの眺めはこんな感じ。
ハンドルは、片手操作が基本。
空いたもう一方の手で、その他のレバーを操作する。
義父があまり動けない体になってしまい、
田圃仕事は私が貴重な男手。
昨年来、機械に乗って中心的な仕事をこなします。
兼業農家では、ゴールデンウィーク中心に田植えを済ませる事が多いですが、
そうすると、真夏の最も暑い時期に稲穂が出てしまい、
胴割れといわれる症状が出たりして、米の品質が下がってしまうそうです。
それ故、コシヒカリは特に遅植えが良いとの事で、
我身内は毎年6月頭の田植えです。
梅雨が近付き、天候不順に悩ませられる時期とも重なるのですが、
今年は幸い、これ以上無い好天に恵まれました。
車体脇に出ているこの棒が、
さっき植えた端の列の頭を撫ぜる様に行けば、苗の幅が揃うのですが、
それにばかり気をとられていると、クネクネの列になってしまい、
僅かなズレをなぞって、後々どんどん酷い事になっていきます。
で、反対へ目をやると、こんな車輪が土をかいて進んでいるのですが、
行き止まりで方向転換(コレが腕の見せ所!)をすると、
車輪が付けた跡がなんとな~く見えて、
車体の中心でこの跡をなぞっていくと、いい感じに列が出来上がっていく仕組み。
なんだけど、
水が深い場所だったり、風で波が立っていたり、お日様の向きが悪かったりすると、
ラインが全然見えなくて、真っ直ぐ走るのに苦心します。
まあ、私は根が真っ直ぐな人間なので、問題無いですが。(^^;)
人手がギリギリなので、
シルバー(人材センター)さんに、一人応援に入ってもらっています。
10時、3時の一服などに、この方に聞く昔話がとっても良かった。
戦争、福井大震災、全てリアルに知っていて、話せる方です。
戦災・震災で全てを失ってしまい、
小さな頃から毎日働くのが当たり前で、
子供の内から、切り出された勺谷石を担いで運んでいたり、
その際に、石を背中から降ろさずに休憩する方法を実に付けさせられること。
炭焼き小屋から木馬(きんま)と呼ばれるもので山の下まで炭を運ぶ仕事のこと。
教科書は自分の稼ぎで買っていたこと。
牛乳配達など、朝の仕事もしていたので、
雪の降った日は、学校の先生が遅刻を黙認してくれていたこと。
涙が出るような、感動にも溢れた、そのお話の内容について書こうとすると
長文を2~3晩書かねばならないので、
私の心の財産にさせてもらいます。
我が子にも語り継がねば・・・。
日が傾いてきて、
「今日は終わりにしよかぁ~!」 って声が掛かって、
今日は、(田んぼ)1枚とちょっと。
たっぷり汗をかいた体で、
ヒリヒリと真っ赤な顔で、真っ赤に日焼けした腕を組みながら、
仕上がった水田を眺める。
この時間、この瞬間が、最高に幸せなんです。
一面に広がる赤ん坊達が風になびく姿が、心からいとおしくて。
第一次産業って、
労働に対する実感と満足感と喜びが、ハンパ無いです。
毎日、感謝してメシ食います。
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コメント
東北の人は苦労人ですね
出稼ぎ出来ていた東北の人と仲良くなって同じ世代なのに信じられないような生活に違いに驚いた事が有ります
田植え ご苦労様です
日々の仕事に加えて田植えまで大変ですね
秋には稲刈りもですね
秋にはおいしいお米ですね(^-^o)
投稿: マサヒ | 2011年6月 5日 (日) 04時22分
Fumiさん、おはようさんです♪
田植えといえば5月連休頃と思っていましたが、
コシヒカリはかなり遅いんですね。シルバーの
人にも頼んでいるんですか! それなら私が
お手伝いしたのに(^^) でも、やったことがない
人間は役に立たないかもしれません(汗)
おこちゃま達の出番はなかったのかしら?
この田んぼで取れた新米は美味しいでしょうね。
おかずは漬け物だけでお代わりできそう(笑)
とにかく、お疲れさま~!
投稿: YAMA | 2011年6月 5日 (日) 05時31分
マサヒさん、こんばんは。
このお年寄りは、とにかく働くことが『当たり前』のように身にしみておられる様で、
今でも月に2~3日しか休まず働き続けているそうです。
人生って、時代もあるでしょうが、
本当に色々、人それぞれですね。
とにかく辛さが全く無く、始終ニコニコされている方でした。
新米を炊くときの香りって、
玄関を入っただけで分かる位強烈で、とっても幸せな香りです。
おいしいお米♪楽しみです・・・が、
その前に色々あります。(--;)
投稿: Fumi | 2011年6月 5日 (日) 17時43分
YAMAさん、今日はありがとうございました。
子供たちはチョロっと来たのですが、
大人が少なく、世話焼いて相手をしている暇が全く無かったので、
今回は戦力外通告です。帰らせました^^;
YAMAさん、稲刈りの時はこられますか?
体中『はしけぇー』くなりますよ。(笑)
それでも、収穫の喜びってのは最高!
シーズン初めに新米をいただく時のあの気持ちは、何とも言えません。
まあ、楽しんだり喜んだりしていられるのは、
私がしょせん手伝いの身だからかもしれませんが。
投稿: Fumi | 2011年6月 5日 (日) 17時54分
田んぼですか!!
きっとそういう方々がこの日本を支えてくれているのだと思います。
田植機などの乗り物も???で、さっぱりなので、これを操るfumiさんには感心します。
投稿: ヤスジロウ | 2011年6月 5日 (日) 19時44分
これは高級車デスネ・・・

あ~ん、こんな素敵な時間があるんなら、
行きたかったぁ~
投稿: フレディ・M | 2011年6月 5日 (日) 20時14分
ヤスジロウさん、こんばんは。
乗り物は、慣れるまでがとっても怖いです

方向転換は、植え付けの機械を上げたり下げたり、ハンドルを切ったり、アクセルを加減したり、色々同時にやるので、
初めは超パニクって、とんちんかんちん一休さんです。
でも、昔の農家さんより、うんと楽なのだと思います。^^;
投稿: Fumi | 2011年6月 5日 (日) 20時19分
フレディ・Mさん、どうもぉ
はい、私なんかにはとっても手の出ない超高級車ですよ(笑)
フレディさんも田んぼの経験おありですよね。^^
昨年フレディさんに頂いた、
『バイクの一本橋と同じ要領で・・・』のアドバイスを思い出し、
視線を遠~くへやって操作しました。(^^)v
投稿: Fumi | 2011年6月 5日 (日) 20時23分
Fumiさんこんばんは!
今度は山行に御一緒させてくださいね!!
ところで…、この田植機はかの名機!?
「みのる」じゃないですか~。
今や田植えは直植え(コーティング米)等の亜流もあるけど、今も昔も主流のヰセキやクボタ、ヤンマー等の大企業に対抗すべく、田植機の異端児とも言うべきかな「みのる」ですね。
車に例えると、ヰセキとかがレシプロ機関に例えると、これはまさしくロータリーエンジンですね。
箱にちりばめられたポット苗を丁寧に植えつけるこの名機!サスガです。
ボクの職場の先輩の家もこの機を愛用していまして、手伝い(バイト)に行くときに見ます。
空打ちは無く、通常の根を引き千切って植えつけるそれとは違い、生育も良いのだそうです。
苗作りが大変ですが・・・。
お疲れ様でした!!
投稿: ゲンゴロウ | 2011年6月 5日 (日) 21時39分
Fumiさん、田植えお疲れ様でした。
僕はいつも田植えをしている風景を見て、どうしてあんなに綺麗に植えることが出来るのだろうと不思議で仕方がありません。
Fumiさんの写真を見ても、機械の両手一杯に何段も並んだ苗がちゃんと順番に植わってゆくなんて、考えるだけで頭がこんがらがってきます。
それにしても本当にお疲れ様、今年の秋が待ち遠しいですね。
投稿: A-FOCUS | 2011年6月 5日 (日) 22時15分
ゲンゴロウさん、さすが、目のつけどころが!!!
驚きです!
はい、根を引きちぎらないポット苗の『みのる』ですよ~!!!
植える時は、遅植えのこともあり、苗の間隔も広くて、周囲の田んぼよりも随分スカスカで、
頼り無げで見劣りするのですが、
いつの間にやら立派に成長し、実りの時期には周囲の田を追い抜くのです。^^
実は、妻の実家は何十年も昔からず~っと
化学肥料も除草剤も使用せずにやってきています。
除草も、苗と苗の間の根元を転がしていく手押し機によって、
全て手作業にて行っています。
自主流通米ってやつですね。^^
子供にも全く何の心配も無く、
安心して口に運ぶ事が出来る。
自信を持って誰にでも勧められるお米だったのですが、
義父も義母も体が自由に動かない様になってしまい、
このような米作り自体を守ってゆく事がピンチになってしまいました。
農業ってのは、大変で面倒でも、
色々な喜びが多いですよね。^^
投稿: Fumi | 2011年6月 6日 (月) 02時06分
A-FOCUSさん、ありがとうございます。
機械の苗が品切れになると、
『ピー!ピー!・・・』って警告音がして、苗を補充します。^^;
言われるがままにやってるって感じですよ(笑)
うねの両端でUターンする時などは、
私自身、機械の操作で頭がこんがらがります(爆)
機械に乗ってるのって、
楽そうに見えて実は結構汗だく^^;ハンドル切るのには腕力も使います。
上(↑)でも書きましたが、
妻の実家は何十年も昔からず~っと無農薬・化学肥料も無しでやってきたので、
他の田んぼと比べると驚くほど土の柔らかさが違って、
苗が育ってから比較すると、根の張り・深さが全く違います。
遅植えで、更に肥料をやっていないと、
周囲と比べて見た目貧相なのですが、
秋を迎えるまでには立派に成長して、収量は遜色無いのです。
何よりも、安心で、
とっても美味しいです。
はい、ほんと。^^
秋が待ち遠しいです。
投稿: Fumi | 2011年6月 6日 (月) 02時20分
田植え お疲れ様です
我が家には、田んぼが無い 親戚にも無い
ので、生まれてこの方 田んぼに関わったことがありません
友人の話では、シーズンになると休みの殆んどを田んぼにとられてしまうとか・・・
僕たちが美味しい
農家の方々の御蔭です
感謝・感謝です
投稿: taizo | 2011年6月 6日 (月) 15時46分
taizoさん、こんにちはぁ。
妻に聞くと、
やはり子供の頃は、春も秋もひたすら田んぼ田んぼで、
どっこも遊びに連れて行ってもらった覚えが無いそうです。
兼業農家ってのは、どうしたって休日が潰れちゃいますね。
お米って、買うとかなり高価ですよね、
でも、農家って機械やら何やらすんごくお金掛かるし、
お米作ったって、別に儲かる訳じゃない。
自分達が食べる分位は・・・って感じです。
投稿: Fumi | 2011年6月 6日 (月) 17時27分